このページでは、きちんと閉まらない、閉めたらどこかに隙間が出る状態の引戸の修繕をした時の工事を紹介いたします。
もともと、内装工事の業者から40万円程の見積が出ていたとのことですが、結果的に10分の1以下で修繕する事が出来ました。
少し長い文章のページになるかもしれませんが、お付き合いください。
今回修繕した引戸は、以下の写真の引戸です。
浴室の出入り口に使われているアルミ製の引戸でした。
写真だと少しわかり辛いかもしれませんが、引戸の下の方はちゃんと枠に接触しているのですが、上側には隙間が開いてしまっています。
ここは浴室のため、隙間が空いていると、シャワー使用時に隙間から外に水しぶきが飛び散ってしまいます。
そのため、修繕が必要なので、とある工事業者に見積もってもらったところ、枠がダメになっているので、全体の修繕が必要で、40万近くかかるとの見積もりが来たとのことでした。
修繕は必要だが、さすがにそんな金額を出す事は難しいとのことで、ご相談を受けました。
実はご依頼を下さったのは、顧客の不動産業者様でした。
賃貸に出す物件で、浴室がこのような状況なので、このままだと賃貸に出せないので、鍵交換のついでに見てきて欲しいとのことでした。
歪んだ戸でもある程度修繕できる自分ですので、状況を聞いた時点で、ある程度の修理の作業の予測が出来ました。
また、枠全体がダメだという結論を出しす、40万円近くもの金額の見積もりを出したのだから、当然一番最初にチェックすべき戸車関係は、当然チェックした上での見積もりだろうと思っていました。
そこで、「枠全体がダメだったとしても、戸車の調整で何とかいけるかもしれません。戸車調整だけで済めば、そんなに金額かからないですよ」と軽くお伝えしてしまったのですが、現場に行って見てびっくりしました。
まさか戸車をチェックすらしていないとは思いもよりませんでした。
とにかく戸車がひどい状態でした。
ちなみに枠の方ですが、築年数が結構経っている物件ですので、年数相当のずれは認められるものの、問題はありませんでした。
まず最初に引戸の右側の方を外したのですが、有り得ない施工に絶句しました。
写真では、何があり得ないのか分からないので、説明付きの写真を以下に載せます。
緑の丸は、もともとこの引戸に付いていたであろう戸車です。
腐食してしまっています。
そこで、新しい戸車が追加されています。(水色丸の部分)
戸車が腐食してしまったので新しい戸車に替えるのは、何ら不思議なことではありません。
ただし、その場合は、腐食した古い戸車は除去せねばなりません。
このように、腐食した古い戸車を残したまま、横に新しい戸車を入れてしまうと、その時は良くても、何年か先、古い方の戸車がさらに腐食して下がってきたり、腐食により部品が落下してきて、引っ掛かるようになったら、引戸がスムーズに動かなくなってしまいます。
それに、重心の関係で、戸車は戸の両端の方にあることが望ましいので、そういった意味でも、古い戸車を取り外して、それと同じような場所に新しい戸車を取り付けるのが良いと思います。
ただ、見積をあげた業者さんの名誉のために言っておきますが、このような戸車の取り付けをしたのはもちろんその業者さんではないと思います。
もっと前に時点で誰かがした事だとは思います。
ただ、枠全体がダメだと言う結論を出す前に、ここはチェックしておいて欲しかったと思います。
そして次に左側の戸を外しましたが、
左側の戸はさらに酷かったです。
酷かったと言うか、腐食した戸車がそのままで、何の処置もされていませんでした。
完全に腐食して引戸に固着していたので、外すのが大変でした。
何度も言って恐縮ですが、枠全体がダメと言って、高額な見積を出す前に、最低でも戸車は交換するなりしてから結論を出して欲しかったなと思います。
こうして、各部のチェックに時間がかかりましたが、戸車が原因だと言うことがわかりましたので、修繕作業に入っていきます。
顧客の不動産業者様へは、現場を見る前には、戸車の調整だけだったらそんなに金額はかかりませんとお伝えしていたのですが、実際には戸車がこんな状況なので、部品代や、固着してしまってる戸車を外すのに費用がかかる事などをお電話にて説明し、ご了承を頂いてからの施工となりました。
戸車を外すだけで1時間近くかかりました。
何とか無事に外せたので、戸車を交換していきます。
もちろん、建物が建ってからの年数によるずれが枠に多少発生していたため、戸車を新しいものに交換し、調整をしただけでは隙間がなくなりませんでした。
ですが、それは最初から想定をしていたことです。
そこで、新しい戸車を、このお部屋の枠の状態に合わせて、戸車そのものに加工を施していきます。
加工はどこをどう加工すればよいか、10年の経験を生かして行いますが、どのように加工するかは企業秘密です。
こうして、何度もトライアンドエラーを繰り返して微調整を続け、ようやく完成です。
最初ずいぶん開いていた枠と引戸の間に、隙間がなくなりました。
比較のために修繕をする前の元々の写真を以下に載せます。
こうして、無事に引戸の修繕が完了致しました。
これでシャワー使用時も、外に水が飛び散って、床や家財を濡らす心配がなくなりました。
今回の施工では、戸車の調整のみで済まない工事でしたので、部品代や工事費用がかかりました。
それでも、別の業者さんが出した見積の10分の1以下で十分収まりました。
ちなみに、本当に枠全体がダメで、戸車の交換・加工・調整を行なってもまだ、隙間が解消されない場合は、他に方法がございます。
高額な費用が掛かると言われて困っていたり、あまり多額の費用が掛けれないなどでお困りの事がありましたら、一度カギの救助隊福岡へご相談下さい。
もちろん100%出来る案件ばかりではありませんが、よりよい方法がないかについて考えてみます。
それでは今回の施工例はこの辺りで。