このページでは、私自身がカギの救助隊福岡を創業する何年か前、フリーランスとしていくつかの会社と提携して下請けや、孫請けをしていた時に感じたことを載せていきたいと思います。
このページは、自社施工のメリットのページの続きとなっておりますので、まずはそちらをご覧いただいたうえで、ご覧ください。
また、そのページでも書きました通り、提携業者を使っている会社にも良い点はあります。
逆に、私たちのような提携業者を使っていない自社施工の業者にも、長所と短所があります。
つまりどの業態にも良い点とそうでない点があります。
自分は他社批判は好きではないので、他社批判をするつもりで書いているわけではありません。
その時私が感じていたこと、を書いていきますので、その点をご承知ください。
そしてページの最後には下請けや孫請けををやめて、自社で一貫して行なうと決めた理由もあわせて載せていきます。
このページの目次
自社施工のメリットのページで説明させて頂いた事のおさらいになりますが、提携業者を使っている会社の業態は以下のイメージです。
主にインターネット上で集客をし、お客様からご依頼が入ると、お客様の近くの、あるいはお客様のニーズに合った提携店にお客様を紹介し、その提携店がお客様のもとへやってきて工事を行うシステムです。
お客様は工事をしてくれた提携業者に工事代金を支払い、提携業者は、紹介をしてくれた元請けに手数料(紹介料など)を支払います。
この手数料は、お客様がお支払いされる工事代金に上乗せされているか、上乗せはせず提携業者が自腹で元請けに支払っているかのどちらかです。
前者の場合は、お客様の支払う金額が増え、後者の場合は工事を行なった提携業者の利益が減ります。
また、中には孫請けの業者までいる場合があります(下図参照)
孫請け業者がいる場合、孫請け業者は提携業者(下請け)と元請けそれぞれに手数料を支払う必要があるので、手数料の総額は増えますが、下請け店が来ても孫請け店が来ても、お客様の支払う総額は変わらない会社もあります。
先述の通り、私はカギの救助隊福岡を創業する前、フリーランスとして、上記の絵で説明したような下請け業社や孫請け業社として、仕事を受けていました。
ここからは、そんな下請けや孫請けとして仕事を受けるのをやめようと思ったらきっかけについて書いていこうと思います。
今から15年ほど前の事です。
私が下請けを辞めようと思ったきっかけを話す前に、元請けの会社の料金の案内の仕方についてお伝えせねばなりません。
なぜなら、その料金の案内の仕方が、私が下請けをするのを辞めようと思った理由だからです。
私が下請けを行なっていた元請けの会社では、お客様からお問い合わせがあった時、オペレーターはお客様に電話で、
「料金は○○円からです。」
とその作業の最低料金を案内していました。
しかし実際にはその○○円ではなく、現場で金額が増える場合が多かったです。
例えばお客様が車の鍵を紛失し、鍵作成の依頼の電話をしたときに、最初に元請けの電話のオペレーターが
「鍵作成は8000円からです。」
とご案内し、お客様からご注文を受けて、元請けの会社が提携業者にお客様のもとへ行く指示を出したとします。
元請けの会社の料金表には、どのタイプのカギ穴がいくらと事細かに料金が設定されています。
現場に来た業者が、車のカギ穴を確認し、元請けの会社の料金表で調べたところ、15000円だったので、お客様に説明し、15000円で作業をした。
という具合です。
それでは前置きはここまでとして、ここからは下請けを辞めようと決めたきっかけについてお伝え致します。
元請けの会社が○○円からと、最低料金を案内せざるを得ない理由はあとでお伝え致します。
ある日、元請けの会社から、バイクの鍵を紛失して、鍵穴からの鍵作成を希望されているお客様をご紹介頂きました。
現地に行くと、気の弱そうな若い女性の方がおられました。
バイクは新しいバイクで、鍵作成の難易度が高いバイクでした。
元請けの会社の料金表を見ると、18000円となっていましたので私は、お客様に料金表をお見せして、
「このバイクの鍵作成はこの表のこれに当たりますので、18000円です。」
とお伝えしたところ、とても悲しそうな顔をされました。
その顔を見てすぐにわかりました。
バイクの鍵作成の一番難易度の低いものが8000円なので、おそらく電話の際にオペレーターから8000円からと聞かされていたはずです。
しかし実際は18000円だった。
高額な金額だが、気が弱いので断ること出来ず、悲しくなったのだろうと。
その時私は、このように提携店を使っている会社は、お客様にとっても非常にメリットのある部分もあり、下請けや孫請けをしている自分にとってもメリットがある業態ではあるが、このような業態は私には合わないなと思いました。
その会社では見積もり料が無料という設定でしたので、
「見積もりは無料ですので、今回は見積だけということにして、一旦キャンセルしましょう。
ほかの業者もあたってみて、もしまた頼みたいと思う事があったら、再度先ほどお電話された会社のほうに電話してみてください。」
と言って、現場を離れました。
最終的な金額は異なるのに、「料金は最初に鍵作成なら鍵作成の最安値をご案内する事についてどうなのか。
私が下請けとして仕事を受けていた(元請けの)会社では、元請けの会社の担当者と下請け孫請けの業者を交えた会議が月に一回ありました。
その会議ではよく、実際には最安値の金額で施工することはほとんどないのに、最安値を案内するのはどうなのかについて、よく議論がありました。
しかし、結論から言うと、話し合っているうちに、元請けの会社の立場を考えると、○○円からと案内せざるを得ないと思うようになりました。
それはなぜかというと、例えば車の鍵作成一つ例にとってみても、鍵穴の中に、ピンが8本のもので段差が0.5ミリのもの、8本で0.35ミリのもの、8本で盗難防止ピンが入っているもの、ドアは8本で、エンジンキーの鍵穴のスコープでは覗き見ることが出来ない場所にさらに隠しピンが2本あるものなど、種類がたくさんあり、難易度もかなり違います。
また、同じ車種でも、〇年式から〇年式はこの鍵穴で、〇年式以降はあの鍵穴という具合に年式によって違っていたり、この車種の〇年式とあの車種の〇年式は同じタイプの鍵穴で、〇年式以外は同じではないなど、事細かにいろいろとあります。
(細かいことを全部書くとキリがありませんので、この辺りにしておきます)
現場に出ている人間は、車種が○○で、〇年式の車体番号が○○の車と聞けば、どの鍵穴で難易度がこうだから料金はいくらと頭に浮かぶでしょう。
しかし、電話のオペレーターの人が受付専門の人だとしたら、そんなに詳しくはない可能性もあるし、毎日たくさんの電話が日本全国からかかってくるところに、事細かに車種は?年式は?と聞いている時間がない可能性もあります。
何より鍵をなくして、車を動かせず予定が狂ってイライラしている人に、事細かに年式などを訪ねていると、相手が怒るリスクもあります。
また、レスキュー系の元請けの場合、オペレーターが鍵以外にも、車のロードサービスや、水道修理などの電話も一括している場合もあります。
さらに言えば、ネットで集客して提携店に仕事を回しているだけの会社の場合、そもそも鍵に詳しくない人が電話に出ている可能性が高いです。
そんなオペレーターの方々に、すべての鍵のタイプを把握するようにしてもらうのは困難なのかもしれません。
それがために、受付では○○円からと言う案内の方法でも仕方がないのかもしれません。
上記のように、たくさん種類があるので、オペレーターが全ての金額を把握するのが困難と言う以外に、もう一つ理由があります。
それはお客様が焦っていて、正確な情報を伝えてくれない場合があるからです。
これは、下請けを辞め、カギの救助隊福岡を創業した後、実際に私自身が経験したことです。
ある日、自動車の鍵をなくしたので鍵作成してほしいと、40代くらいの女性の方からお電話を頂いた際こんなことがありました。
金額をお出しするため、私が車種をたずねたところ、
「トヨタだったはずですが、車種はわかりません。普通車です。」
とおっしゃられたので、車種が分からないと金額を出すことが出来ないので、今お車の近くにおられるなら、車種名がなんて書いてあるか教えていただけますか?とお尋ねしたところ、
「トレンドと書いてあります。」
とおっしゃられました。
トヨタにトレンドという車に思い当たる節がなかったので、トレンドという車種はありませんが他に何か書いてませんか?とさらにお尋ねするも、トレンドで間違いないとおっしゃられるので、不審に思いながら現場に行くと、トレンドではなくトレノでした。
トレノは車の後ろにTRUENOと書いてあるので、それをトレンドと読み間違ったのでしょうが、お電話の時点では、私もそこまで頭が回りませんでした。
ほかにも、サバーバンと言われ、大きなアメ車だと思って現場に行くと、サンバーバン(スバルの軽自動車)だったこともあります。
車に詳しくない女性の方の読み間違いだけではありません。
若い男性の勘違いに振り回された事もありました。
10代くらいの男性から、とあるショッピングモールで、ホンダのディオと言う原付バイクの鍵作成を依頼され、バイクの横で待っているといわれたので行ってみたものの、指定された駐輪場のどこを探しても、ホンダのディオ(とその横に立っている人)が見当たりません。
電話もなかなか繋がらないので散々探し回ってようやく、ご依頼してくださった男性を見つけることが出来ましたが、そのバイクホンダのディオではなく、スズキのレッツだったので、
「ディオじゃなくて、レッツじゃないですか。」
と言ったところ、
「あ、前乗っていたバイクがホンダのディオでした。」と言われ、思わず
「知らんがね。」とつっこんでしまうところでした。
福岡だけで営業をしている当社でも、このような電話があるので、日本全国の電話を受けているオペレーターが電話で、○○円からと、その作業の最低料金を伝えるのは、やむを得ないのかもしれないなと、創業してから気付きました。
ただし、あまりにも安価な金額を案内したりしている場合は、ただ集客率を上げるためだけを考えてやっているのだとは思いますが。
このように、紆余曲折あって、フリーランスとして下請けや孫請けで仕事を受けて生活するのをやめ、
「受付から施工、その後のアフターフォローまで全ての自社で一貫して行なうお店にしよう。
そしてホームページには、料金は○○円からではなく、実際にかかる金額を載せよう。」
と決め、カギの救助隊福岡を設立しました。
ただし本当は、実際にかかる金額を正直にホームページに載せるより、○○円からと、最安値を表記するようにしたほうが、お客様から電話がかかってくる率も増えるし、仕事量も増えます。
そこに葛藤もありましたが、例え仕事の入る率が減ろうとも、正直に載せて仕事したほうが自分らしいと思いました。
創業時こそ苦労しましたが、少しずつ不動産関連業者様やアパートマンション経営をされているオーナー様などの顧客が増えて来ました。
現在では50社以上の顧客がいてくださるおかげで、毎月安定した経営をさせて頂けるようになりましたので、創業時のように仕事量を増やすために、○○円からと表記した方が良いのではないかと考える必要がなくなりました。
さて、ここまで色々と書いてきましたが、一番最後に、不誠実な業者の例を載せようと思います。
これは私が下請けをしていたと時に、同じ会社の下請けをしていた別の業者の話です。
同じ会社の下請け同士なので、現場に一緒になることも多く、実際に私が見たことでもあります。
最初に特筆しますが、誠実に営業されている下請け業者や孫請け業者の方々もたくさんいます。
むしろ、ほとんどがそうです。
また逆に、自社施工の会社の中にも、不誠実な業者もいます。
これはほんの一部なのですが、実際にこう言う業者がいたので、事例として載せていきます。
上のほうで、最初にオペレーターから例えば8000円からと案内があっても、実際に現地で鍵穴調べ、料金表で確認すると18000円だった事例を載せました。
料金表には一番簡単で最低ラインの金額(オペレーターから案内される金額)のものから、一番難易度が高く、高額なものの金額まで、何段階かに分けて、いくつかの金額が書かれています。
その業者は、現地に行った際には、必ず料金表の一番高額な金額を案内します。
実際には料金表の難易度(および金額)の低いグレードの物だったとしてもです。
そのやり方はこうです。
例えば車の鍵作成の時は、現場に来てまず、鍵穴確認しますねと言って、専用のスコープで鍵穴をのぞきます。
その後で
「うわー、この鍵は、作成をするのがものすごい大変なんですよー。」
と言い、料金表の一番高額な金額を提示します。
お客様としても、業者の人間が鍵穴をスコープで覗いた後で、困った顔をしながら、「ホントに大変なんですよ」
と言ったとしたら、そうなのかなーと思ってしまう方がほとんどかなと思います。
これは、フィクションではなく、実際に現場で私が見たことでもあります。
ちなみに、その業者の人は現在は福岡にはいません。
こう言ったやり方のため、評判が悪くなってくるのですが、そうなると違う地域に移り、またそこで悪評判が出てくるとまた別の地域に移りしていて、現在は遠く離れたところにいますので福岡の皆様はご安心を。
他にも現場で会った業者で色々とあったり、お客様から相談を受けたこともあるのですが、他社批判になってしまうので、ここではこの辺りにしておきます。
前のページの続きではありますが、不誠実な業者を避けるには、色々と話を聞いてみて、お客様自身が、この業者になら依頼をしたいと思った業者を選ぶことが一番大切です。
カギの救助隊福岡でも、なるべく分かりやすいように説明するよう努めておりますので、当店で鍵交換をお考えの際は、お気軽にお問い合わせください。