先日の東京出張の際に泊まったホテルでの一コマ。
この写真を見て、何かお気づきでしょうか??
上下が逆さまです。
そう、鍵穴が、逆玉と呼ばれる、上下逆さの状態で取り付けいるのです。
通常鍵は、ギザギザ面が上なのですが(美和ロック製の鍵の両面がギザギザの物を除く)、このドアノブは逆さに取り付けられ、ギザギザの方が下になっています。
他の部屋は正方向の物が多いのに・・・
全部が間違っているならいざ知らず、20個中1個くらいの割合で間違っているのです。
取り付けた業者はもちろん、日々使っているホテルの従業員はこの事に気づいていないのでしょうか。
業者も業者で、最後のチェックを怠ったのでしょうか・・・
実は私が宿泊した部屋です
この写真のお部屋ですが、私が泊まることになったお部屋です。
このホテルで二泊したのですが、気になって気になって仕方がない(^_^;)
出張中のハードスケジュールを終え、ホテルに戻ってきても、鍵を開ける瞬間にすごく気になるものですから、疲れがとれません(^_^;)
と、言うのは大げさですが、部屋を出入りする度に、気になって仕方ありませんでした・・・
上下逆さだけではありません
まずは以下の写真をご覧下さい。
同じホテルなのですが、何か気づかれましたか?
そう、私の部屋は強化木と言って、木製のドアノブだったのですが、このお部屋はステンレス製のドアノブです。
(ちなみにこちらの方は、鍵穴の方向は正方向でした。)
さらに、それだけではありません。
写真では分かりづらいと思いますが、手前のドアノブはQ型と呼ばれるドアノブ。
奥はE型と呼ばれるドアノブでした。
このホテルは、木のドアノブと、ステンレスのドアノブ、形もQ型とE型が混在していました。
近年はこう言った鍵の業者が多いのです
木のドアノブとステンレスのドアノブが混在しているのは、交換した時に、木のドアノブは納期が掛かるので、なかったため、ステンレスが混じったのかもしれません。
ドアノブの形状が統一されてないのも、同じような理由でやむを得なかったのかもしれません。
しかし、上下逆さに取り付けられていると言うのは・・・
本当にありえないと、思いますし、職人としてのプライドがないのかなと思ってしまいます。
そんな業者が増えた背景について、少し考えてみようと思います。
安易に鍵屋を開業する人が増えた
インターネットの普及により、簡単に情報を検索できるようになりました。
その為、無店舗で、また少資本で鍵屋を始める者が増えたのではないかと思われます。
また、鍵開けを教える学校のようなところも増えたことも、安易に開業するものの増加につながったと思います。
実際にあった話
他の、名前も聞いたことのない鍵屋さんからある時、
「鍵開けに現場に来たけれど、全く開かないので助けて欲しい」
と、お電話を頂きました。
正規の金額を当社にお支払いいただけるとの事でしたので、当社としては断る理由がないので、お受けいたしました。
ただし、その業者が本当に鍵を生業にしているのかどうかわからないので、鍵開けの方法は教えないと言う条件で引き受けました。
もちろん、お客様の身元確認もしっかりと取り、その家がお客様の家であると確認もしております。
別のケース
またある時、お客様から
「お宅は三菱の車の鍵開けどれくらい時間掛かるんだ!!」
と、すごい剣幕でお電話を頂きました。
お客様に、
”状況にもよりますが、概ね5分~10分ほどです。”
と、お伝えしたあと、
”どうしましたか?”
と、尋ねると、
「今鍵屋を呼んで、作業させているのだが、ゆうに一時間以上は経つと言うのにまだ開かない」
とのことでした。
お客様はその業者を帰らせるので、代わりに、当社、カギの救助隊福岡に来て欲しいとのことでしたので、急いでお伺いをいたしました。
結果、1分以内に鍵開けを完了し、お客様に大変喜んで頂きました。
まとめ
先にお伝えしたとおり、インターネットの普及により、名の知られていない鍵屋でも、仕事が取れるチャンスが出てきました。
また、鍵開けを教えますと言う学校も、インターネットで簡単に集客出来ると言う事で増えました。
以上の理由により、たった数日、良くて数週間・数ヶ月だけの研修を受けた多くの人々が、鍵屋を開業しました。
私は、名の通った老舗の鍵店で修行を積み、お客様の不安を解消し、笑顔にしたいという理念を持って、カギの救助隊福岡を開業しました。
そして、5年目を迎えております。
儲かるから、少資本でスタートできるからと言う理由で、たくさんの業者が出来ては消え、出来ては消えを繰り返しております。
このホテルの鍵はほんの一例ですが、世の中には雑な工事をされておきながら、気づかずにいる方がたくさんおられます。
鍵屋を選ぶ際は、金額・作業内容とともに、技術でも選びましょう。