先日のこと、私の女性の友人がひったくりの被害に遭いました。
何でも、自転車で会社から帰宅中、前かごに入れていたバッグをひったくられたとか・・・
幸い、怪我もなかったようで、安心しました。
金品はたとえ盗られても、働いてまた買うことが出来ます。
しかし、大怪我をし、後遺症が残ったら・・・
取り戻すことは出来ません。
ひったくりの実態
ひったくりは実際どれくらい発生しているのでしょうか。
例えば2013年9月の一ヶ月間、福岡市内だけでも約20件のひったくり事件が発生しております。
少ない時でも5件前後は必ず起こっているようです。
なぜひったくりは無くならないのでしょうか。
また、ひったくりに遭ったらどうなるか。
その辺について、私なりに考えるところを書いていきます。
安易な気持ちで始められる犯罪だからです
ひったくりをする犯人は、それがどんな結果を招くのか、あまり深く考えずに犯行に及んでいるのではないでしょうか。
空き巣などと違い、用意周到である必要がない。
また強盗などと違い、派手な事はしなくて良い。
自転車か原付バイクがあれば良い、そんな風に軽い気持ちで思っているのではないでしょうか。
だから、一向に減らないのではないかと思います。
また、昨今は景気も悪化の一途を辿り、働き口がない、給料が少ないと言う人が多いこと。
さらには、社会全体が勤労の大切さ、尊さを教えていない事があるのかも知れません。
被害は盗まれた物だけではない
ひったくりに遭って、カバンを盗まれたといった場合、当然、カバンとカバンの中身はなくなります。
それらのものが一気になくなるわけですから、それだけでも被害額は相当なものでしょう。
しかし、それだけには留まりません。
なぜか。
例えば、免許証やキャッシュカードが盗まれたなら、再発行にもお金が掛かります。
また、お勤めの方ならば、会社の備品を購入したり、会社の出張での旅費を立て替えたりした場合、盗まれたバッグの中にその領収書が入っていたら・・・
また、住所が特定できるもの(免許証や保険証など)と共に、家の鍵を盗まれたら・・・
家の鍵ばかりでなく、会社の鍵も盗られたなら・・・
きっと、弁償として会社の鍵交換もせねばならないでしょう。
そう、ひったくりによる最終的な被害額は、間接的な物を含めると、莫大な費用になるのです。
大怪我を負ってしまう事も
私ども鍵屋と言うのは、上記のような理由で、
「ひったくりに遭ってしまったので、鍵交換をしたいので、今すぐ来てください」
と、呼ばれることが多々あります。
その為、たくさんの被害者を見てきました。
中には無傷の人もおられますが、大体の方は、犯人に怪我を負わされています。
膝を擦りむいた。
なんてのはまだ良い方で、引きずられる際に転び、顔面を道路でズル剥けになってしまった方もおられます。
当然、女性ですから、心理的なショックも大きく、一時的に言葉も喋れなくなってしまっていて、代理の方がご対応されてる、なんて事もありました。
また、中には、大腿骨を骨折して入院された方もおられました。
大腿骨の骨折がいかに大変な事かは、調べればすぐにわかります。
くっつきにくい部位であり、そもそも骨も再生されにくい部位であるため、大腿骨骨折を機に、寝たきりになってしまうこともあるそうです。
ひったくりには遭わないようにしましょう
このように、ひったくりは、犯罪事例が多い上、間接的な事を含めると、被害額、また対応せねばならない事が多い厄介なものです。
さらには、怪我、それも人の一生を左右するような大怪我を負わされる可能性も秘めています。
だからこそ、被害に遭わないように気を付けていただきたいのです。
ちょっとした心構えが被害を防ぐ
このように、甚大な被害をもたらす可能性もある、ひったくりは、ちょっとした心構えで防ぐ事が出来ます。
・鞄は車道と反対側に持つ。
・後ろからゆっくりと接近してくる自転車・バイクには注意する。
・なるべくバッグはたすき掛けに持つ。
・自転車の前かごにカバンを入れる際は、ネットを掛ける。
これだけでも随分と被害に遭う確率を減らすことが出来ます。
また、歩行中に携帯電話や、スマホなどの画面を注視しながら歩かない事も重要です。
ひったくりの被害に遭われる方が、一人でも減るように願います。