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原状回復ありのデジタルロック取替え

今回の工事のビフォーアフターの写真
今回の工事のビフォーアフターの写真

先日、福岡市博多区内で事務所を営んでおられるお客様から、原状回復ありのデジタルロックの取替え作業のご依頼を頂き、行なって参りました。

現在鍵式の面付本締錠がついているのですが、これをデジタルロックに取替えたいが、原状回復が必要なので、それを考慮して取り替えてほしいと言う内容でした。

将来原状回復の必要があると言う条件が入ると、工事が一気に難工事となります。

 

原状回復の必要があると言う事は、貸主であるビルのオーナーは、なるべく貸し出した当時の状態を維持して欲しいと考えている可能性があるので、貸主とのトラブルを避けるため、今の鍵式の面付本締錠で運用した方が良いのではないか、との考えもあるのですが、お客様のご希望として、

 

・この事務所は、多くの人が出入りするので、鍵を増やし続けるのは大変である。

・期間限定の契約社員が多く、人の入れ替わりがあるので、入れ替わりの度に鍵交換するのは費用的にも大変だ。

・また、現状の鍵式の面付本締錠のまま運用して、毎回鍵交換をするにしても、毎日同じ人が同じ時間に事務所に来るわけではないし、またこの事務所に常時人がいるわけではないので、交換した時に在籍している全ての人に鍵を渡すのが困難である。(その日休みの人がいたり、出勤時間の異なる人がいるため)

 

と言う理由があり、どうしてもデジタルロックに取替えたいと言うことでした。

原状回復とは何か

さて、原状回復とは、読んで字のごとく、元ある状態に戻すこと。

こちらの事務所は、賃貸で借りておられる物件で、現在鍵式の面付本締錠と呼ばれるタイプの補助錠が付いているのですが、デジタルロックに替えたとしても、退去の際は必ず元あった鍵式の面付本締錠に戻さないといけないと言う条件が付いているのです。

 

この条件が付くと、新規でデジタルロックを取付するよりも、かなり難しい工事になってしまいます。

 

ちなみに、現在付いている、鍵式の面付本締錠は、以下の写真の物です。

鍵式の面付本締錠の外側の写真
室外側の写真
鍵式の面付本締錠の内側の写真
室内側の写真
鍵式の面付本締錠の内側のアップ写真
室内側のアップの写真
面付本締錠の受け座の写真
室内側の、カンヌキが入る受け座の写真

原状回復の条件が付くとなぜ大変なのか

上の写真の面付本締錠を取り外し、デジタルロックへ取り替えるのですが、退去時に元に戻さねばならない、原状回復をしなければならないと言う条件が付くとなぜ大変なのか・・・

 

面付本締錠を取り外すと、切り欠き穴がもうすでに開いていて、その穴を利用すれば良いのだから、穴をあける必要が無いんだし、かえって楽じゃないか・・・

 

そう思われる方もおられると思います。

 

しかし、その穴が、デジタルロックを取り付ける際に開ける必要のある場所に開いているとは限りません。

 

かといって、原状回復をせねばならないので、デジタルロックのメーカーが指定する箇所に穴を開けてしまうと、その穴が原状回復の際に元の鍵式の面付本締錠で隠れなかった場合、大変な問題になります。

 

つまり、デジタルロックを新規で取り付けるならば、メーカーが指定した箇所に穴を開ければよいのですが、原状回復の条件が付くと、今開いてる穴の位置と、開けねばならない穴の位置をすり合わせをする必要があり、また、追加で穴を開けたり、今ある穴を広げる必要が出てきた際は、それらを元の面付本締錠に戻す時に、穴が隠れる位置内に収める必要があります。

 

そのために、作業前に、デジタルロックへ取り替える際に必要な穴が、今ある鍵式の面付本締錠の範囲内に収まるようにするにはどうしたらよいか、事細かに計算する必要が出てきます。

何しろ穴を増やした後で、原状回復が不可能だと分かったらどうしようもないので・・・

 

そう言うわけで、何もないドアにデジタルロックを新規で取り付けする工事が二時間ほどで完了するのに対し、この物件は工事が完了するまで5時間もの時間を要しました。

それだけ難工事だったわけです。

 

それでは、ここからは、今回行った取替えの工事について紹介させて頂きます。

いよいよデジタルロックへの取替え工事へ

さて、ここからは、今回行なった鍵式の面付本締錠からデジタルロックへの取替え工事を軽く紹介させていだだきます。

 

まずは、鍵式の面付本締錠を外した後の切り欠き穴がこちらです。

面付本締錠の切り欠き穴
こちらが面付本締錠を外した後に出てきた切り欠き穴です
面付本締錠の切り欠き穴のアップ
その切り欠き穴のアップ

取替えの際留意せねばならない事

今回取り替えるデジタルロックと、今まで付いていたこの面付本締錠では、そもそも必要な切り欠き穴のサイズ・位置・穴の数が違います。

原状回復の条件が無ければ、この面付本締錠の穴を隠す事だけに留意していればよいのですが(それでも新規取付より難易度はかなり上がります)、要原状回復なので、面付本締錠のあった位置内にデジタルロックの切り欠き穴を収める必要があり、かなりの難工事となります。

そのため、穴を追加したり、今ある穴を広げたりする前に、かなり計算をします。

 

どの方向にどれだけ穴を広げるれるか、そしてそれが、メーカーが推奨する位置とずれる場合、どのように辻褄を合せるのか。

その際、今とりあえず取り替えれたと言うだけではなく、永くトラブルなく新しいデジタルロックを使用して頂ける事が出来るのかどうか。

これらについて事細かに考慮して位置決めをせねばなりません。

 

今回は取替え出来ましたが、その結果、取付が出来ない場合もございます。

切り欠き穴に目印を付けている
どこにどれだけ穴を広げるれか、目印を付けているところ

 

今回の工事では、写真のペンキの色が変わっている場所(白い場所)が、鍵式の面付本締錠があった場所なので、この範囲内に切り欠き穴を収める必要があります。

 

その結果、メーカーの推奨する全ての位置に切り欠き穴を収める事が出来ませんでしたので、代わりに、強度を落とさないよう別の場所に切り欠き穴を作ったりなどをしました。

今回作った切り欠き穴の全ての位置は、企業秘密ですので、公開する事が出来ませんのでご了承ください。

いよいよデジタルロックへ取替え完了

こうして、いよいよデジタルロックへの取替えが完了いたしました。

本当に苦労をしました。

まずは室外側(操作盤側)の写真。

取り替えたデジタルロック
デジタルロックへ取替え後
デジタルロックのアップの写真
アップの写真

続いて室内側の写真です。

このデジタルロックも、種類で言うと面付本締錠タイプとなります。

バール破壊などに対しても強い防御力を持つ製品です。

デジタルロックの室内側の写真
室内側の写真
室内側の受け座の写真
室内側の、カンヌキが入る受け座の写真
今回の工事のビフォーアフターの写真
最後に再び、今回の工事のビフォーアフターの写真

このようになんとか取付が出来てホッといたしました。

ただ、冒頭に申し上げたように、新規で取り付けの場合は二時間ほどで完了出来たものが、原状回復の条件がついていた事によって、五時間もの時間を要しました。

体力的にももちろん、脳に汗をかく計算をし続けたので、心身ともにクタクタとなってしまいました。

 

それでも、なんとか問題なく無事にやり遂げる事が出来、またお客様の望む通りの結果が出せて喜んで頂き、技術者冥利に尽きるといった工事でした。

 

ただし、と言っては何ですが、福岡市の中心地でしたので、駐車料金が凄い事になっておりました・・・

恐るべし、福岡市都心部の駐車料金(笑)

 

それでは、今回のブログはこの辺りで!

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