※この記事は、2018年9月に、初めて池島へ行った時の記事です。
この後池島の方々と縁があり何度も池島へ訪れていますが、現在とはフェリーやバスの運行時刻が異なっております。
この他にも記事を書いていますので、そちらをご覧になるか、長崎市のホームページなどで、運行状況をご確認ください。
こうして、いよいよ池島に上陸しました。
池島港へ降りてすぐに見える建物は、現在も人々がお住まいだったり、会社が入っている建物だったりで綺麗で、ちょっと拍子抜けしましたが、廃墟はその奥にありました。
フェリーが池島港に着くと、同じ船に乗っていたカップルは、積んできた車に乗り込んで、すぐさま上陸してました。
自分はどこに行こうか決めていないと言うか、どこに何があるかも事前に調べずに上陸したので、同じフェリーに乗っていたおばあちゃん二人が、港に来ていたコミュニティバスに乗車したので、自分もとりあえずそれに乗ってみました。
池島観光はまずコミュニティバスに乗るのがおすすめ
わけもわからず乗ったコミュニティバス。
自分以外の乗客のおばあちゃん二人と、運転手さんは当然ながら顔見知りのようで、三人で地元の話などに花を咲かせておられました。
バスの停留場が近づいた頃、運転手さんが僕に
「お客さん、ちょっと時間良かですか?」と聞いてこられましたので、「ゆっくり時間はありますのでどうぞ」と答えました。
どうやら、先に降りる方のおばあちゃんが杖をついている方だったので、停留所ではなく、その先にあるおばあちゃんの自宅の前まで行ってあげたいようでした。
おばあちゃんの自宅に着くと、おばあちゃんが降り際に「兄ちゃんありがとう」となぜか私に声をかけてくれました。
おばあちゃんから見ると、わたくしもまだまだ兄ちゃんなのでしょう。
その後しばらく走った先のバス停で次のおばあちゃんも降りたので、自分はこのバスがどこに行くのかも分からずに乗っている事と、そのバス停の目の前に廃工場が見えた事があり、「自分も降ります」と伝えました。
すると運転手さんが「終点まで乗らんね」とおっしゃられたので、「それじゃあ終点まで行きます」と答えて、終点まで行く事に。
運転手さんの話によると、終点が山の頂上なので、終点まで行って、下りながら観光した方が楽との事でした。
その後終点まで、池島の事をいろいろと教えてくれながら走って下さいました。
この場所は何があった場所だとか、この場所で昔は人々がどうしていたとか、いろいろと親切に教えて下さいました。
そうしてやがてバスは、終点の神社下バス停へ。
降りるとすぐ目の前に池島では有名な八階建てアパートが、デンとそびえ立っていました。
池島と言えば8階建てアパート
外は雨が降っていたので、傘を差しながらバスを降りました。
そして、ふと見上げると、8階建てアパートが。
「おお、ここが8階建てアパートかー」
実は、たまたまネットで池島について書かれたものを見つけた時、一番最初に興味を持ったのが、この8階建てアパートです。
見たい見たいと思っていた物が目の前にあり、感慨もひとしお。
かつて住人が利用した、屋上にある棟と棟を繋いでいる鉄製の橋が見えますが、肉眼でもはっきりとわかるほど腐食して穴だらけになっています。
ちなみにですが、この8階建てアパートを始め、他の廃墟となっているアパートの全てが、現在は立ち入り禁止になっています。
実は、この8階建てアパートは、表側と裏側では、若干見え方が異なります。
8階建てアパートの特徴
この8階建てアパートは、表側から見ると8階建てにみえるのですが、裏側からでは、一見すると4階建てに見えます。
池島自体が傾斜が強く、裏側が高台になっているのでこのような作りになったようです。
8階建てアパートの前に、このような作りになった理由が書かれたプレートがありましたので、写真を載せます。
写真が拡大して見れない方のために、プレートに書かれている説明文を以下にそのまま記載します。
昭和45年の炭鉱最盛期、池島の人口は約8,000人近くまで増えていました。住まいを確保するため、池島には多くのアパートが立ち並んでおりますが、ここのアパート群にはエレベーターが設置されていません。そのため、エレベーターを設置するかわりに地形の高低差を利用し、4階部分と5階部分に廊下と連絡橋を設置することで、8階の住人は1階から8階まで、階段で上がらなくてもいいような作りになっています。この「8階建てアパート」は、アパート用地の確保が難しい中で、多くの従業員の住まいを確保するのに苦労・工夫してきたことを物語る、池島ならではの炭鉱関連遺産です。
と、上に書かれている理由でこのような特徴的な作りになったのですね。
それにしてもツタがすごい。
人が住まなくなると、こんな感じになるのですね。
わたしどもカギの救助隊福岡は、鍵とは別に、便利屋事業部として「くらしのお助け隊」を運営しているので、私自身もご依頼で草刈に行く事があるのですが、ツタが生えまくっているところの草刈は本当に大変です。ツタは刈払機の刃が、なかなか思うようにあたらず、ものすごい力が要るからです。
ここまでツタがびっしりとなってたら、刈るのは地獄のように大変だろうな―とか思ったりしながら見てました。
池島で唯一の食堂、かあちゃんの店
まだ昼食をとっていなかったと言うか、せっかく観光に行くのだから、なるべく観光した先でお金を使いたいと思っていたので、長崎へ行く道中で、あえてご飯を食べず、池島に来ました。
事前に「かあちゃんの店」と言うのがある事をネットで見ていたので、そこに行こうと考えていました。
バスの運転手さんから場所は教えてもらっていたので、迷わずに来れました。
運転手さんの話によると、池島で今残っている唯一の食堂だと言う事でした。
どれもそそられるメニューばかりだったのですが、今回はカツカレーを注文しました。
カツカレーが出てくるまでの間、店内を少し散策。
そうこうしているうちにカツカレーが出来上がって運ばれて来ました。
揚げたての分厚いトンカツがのっていて、めちゃくちゃ美味しい!
かあちゃんの人柄の良さもあり、とても満腹で満足なひと時を過ごさせて頂きました。
お会計の時、ちょうど財布の中に小銭がたくさんあったので、全部百円玉で支払ったのですが、かあちゃんが、「小銭いっぱいで嬉しかぁー」と喜んでくれました。
かあちゃん、ごちそうさまです!